入院(relax)〜手術(open)〜退院(enjoy) パート2

★1月10日(木曜日)
術後一日目。
リカバリールームという特別室で目覚めた朝は、気分は最悪。術後だってことで微熱もあり、頭痛もする。何より、身動きできないこの状況にイライラしてストレスたまる。でもしょうがない。文句をいっぱい胸の奥にためて、うとうととしていると『教授回診』のアナウンス。白い巨塔で見たことあるやつだ。みんな教授にぺこぺこしてやがる。たいしたことない助教授たちだなってニヤニヤしてしまった。でもその教授は普通のおっさんで、私にはニコニコと優しく「もう大丈夫だよ。」って言ってくれた。とりあえず安心だ。それからやっと水分補給の許可がおりて、看護師さんが気を利かせてスタバのタンブラーいっぱいに氷の入ったお水をもってきてくれた。一口目のうまさといったらナイ!!超うまかった!!すぐに立ち上がる練習をした。まずはベッドから起き上がってみる。3分くらいかかったけれど、なんとか起き上がれて、その後ベッドから足をぶらぶらしてみた。なんともない。そして立ち上がる。ハイジのあの有名なシーンを回想しながら・・・・床に両足をついて、足踏みをしてみた。私の周りをハイジが両手を挙げながら走り回っている。自力で立てるって最高です・・・うっとりしてまたベッドに寝転んだ。そこで着ていた病衣をはがされて、尿管も外されて体をキレイにふいてもらった。看護師さんには頭が上がりません。すごい仕事なのです。
その後、元の病室に歩いて戻るのかと思っていたら、ベッドに寝かされたままそのベッドで移動した。またまた恥ずかしかった。病室に戻ったらおばちゃんたちが「おかえりぃ〜」って笑顔で迎えてくれた。ご自分たちがツライ治療しているのに、私には笑顔で接してくれる、すごい人たちだ。夜、またヒゲがきてくれた。
「昨日よりいい顔してる」って笑っていた。そして術後の私のひどかった様子を思い出してまた笑っていた。むかつくけど私も笑ってしまって、笑うほど傷が痛んで辛かった。ヒゲを病棟の出口までゆっくり歩いて見送った。そこでバイバイするとき、数年前の遠距離時代の別れを思い出した。今はすぐに逢えるって分かっているのに、なんだかとても切なかったなぁ・・・

★1月11日(金曜日)
調子にのってシャワーを浴びた。そしたら、ものすごく疲れてしまって、その後ずっと寝ていた。自分では大丈夫と思っていても、体力は確実に落ちているのです。ものすごく後悔しながら点滴を受けるバカな私でした。今日からうん○をしないといけないんだけれど、出るはずもなく、売店でヨーグルトを買って頑張ってはみたものの、結果はNG。どんよりと落ち込んでいると、ヒゲが来て、一緒に病院のレストランに行ってみた。そこでヒゲはケーキを食べ、私はまたヨーグルトを食べた。うまかったなぁ・・・手術中におなかにガスを入れてふくらませたため、そのガスが体中に周り、肩がものすごく凝っている。便秘と肩凝りでこの日はつらかった・・・

★1月12日(土曜日)
今日から3連休ということもあって、一時帰宅する患者さんが多く病棟内は静かになった。けれど私の部屋はは笑い声が絶えない。そして私も一緒になって笑って、おなかが痛くなって、また笑っておなかが痛くなっての繰り返しだった。朝、病室のみなさんと病棟内をお散歩した。私の初参加におばちゃんたちはうれしそうだった。けれどみんなのペースについていかれない。おなかをおさえながら歩くからまるで妊婦さんみたいな感じ。病室に戻ったらうん○をしたくなって、トイレに行ったらヤツは出た。おそるべしお散歩だ。この日から一日3回のお散歩に参加する私。夜は、セキがひどく眠れなかった。手術日前後は緊張のためかセキはひっこんでいたのに、おそらく私の体がセキに耐えられるようになったことを察知してセキたちが出てきたのだろう。これは12月の風邪の残り火。しつこいったらありゃしない。

★1月13日(日曜日)
朝から内診があった。おなかの中もおなかの傷も、もう大丈夫ということで、明日退院することに。普通の生活に戻っていいという先生の言葉に少し物足りなさを感じながら病室に戻った。でも右の卵巣も子宮にも異常はないという診断をもらって安心だ。早くそれをヒゲに言いたいのに、全然来ない。予定の時間近くに病棟の入口まで迎えに行ったら「家事をしていたら寝てしまって、少し遅れる。」というメールが入った。それならしょうがない。文句も言えないな。おとなしく病室に戻って待つことに。夕食中にアイスをもって来てくれた。

★1月14日(月曜日)
最後の回診の後で荷物の整理をした。周りのおばちゃんたちが、次の外来はいつなんだとしつこい。だから2週間後だと話すと、じゃぁ待ってるからと、笑顔。
毎日「長い友達が去っていく・・・」って笑いながら枕に落ちた髪の毛を拾っているおばちゃんたち、私は色々考えさせられた。みんなかわいらしいニットキャップをかぶって病室でゲラゲラと大声で笑っている。抗がん剤の治療は相当キツイらしいのにみんなすごい。本当にすごい。それなのに、たった一週間の入院の私の体を心配してくれる優しい人たち。同室の5人のおばちゃんたちは本当にステキな人たちだった。いい出会いだったなぁ・・・って思う。次の外来のときには、たこ焼きを食べたいというからたこ焼きを持ってさしいれしてこようと思っている。


1週間ぶりの帰宅。
アパートの階段を一段ずつ上がってやっと部屋にたどりついた。
入院するときに片付けてきたつもりだったけれど、それ以上に部屋が片付いていてびっくりした。
ヒゲが掃除までしていてくれた。本当にびっくり。結婚してから何もしない人だったのに、やれば出来るんだ・・・って驚いた!私の荷物をバッグから出して全て片付けてくれたり、帰りにスーパーに寄って買い物してきたものを、冷蔵庫に収納してくれたり、よく働いてくれる。別人みたい。 私がいなかった一週間を「とにかく寒かった!」と笑っていた。そしてこの部屋に私がいることをとても不思議な感じと笑う。「不自由な思いをさせてごめんね。ありがとう。」って素直に私が言うと、「いや、よく頑張ったと思うよ!偉かった!!」って言ってくれた。うれしかったなぁ〜。

この一週間はお互いに少し成長できたかもしれないなぁ。そしてどちらも欠けちゃいけないって再認識しました。

何より、健康が一番です。
誰にとっても!!