手術当日

4/24
いよいよ本番。手術着に着替えてから点滴が始まる。前回の応用を生かし、今回は左腕に。しかしその点滴の管を入れる時が辛かった。女医先生だったわけだが、私の血管は看護師泣かせの激細血管で、腕に針を刺してから血管を探る動作がものすごく痛かった。なんとか血管を捜しても血管に弾力があって管が刺さらず腕に激痛が走った。管が腕に固定されるまで何分かかっただろう。終わってからもずっと腕が痛かった。昼近くになってヒゲが現われた。今日も会社を休ませてしまった。申し訳ない。
「病人らしくなったな」と言われ談笑していると、手術室に行く準備が始まった。1度経験しているからもう慣れたもの、キャスターつきのベッドに乗って腕にネームバンドをする。その年齢のところがなんと「37歳」になっていた。確かに今年37歳になるけれど、今はまだ36歳だ。看護師さんに猛抗議して修正してもらった。これで安心。やっとベッドが動きだんなちゃんに付き添われて手術室へGO。泣いていた前回に比べて今回は余裕。大人の態度で手術室まで行った。「じゃぁ行ってくるね!」「頑張って!」とお互い笑顔で別れて私は手術室の中に入った。麻酔科の先生があいさつをしてきた。これも前回と同じ。けれど前回と違うことはその先生がかなりのイケメンだったということ。マスクしてるしキャップかぶってるし顔の全部は見えないけれど、見えている部分はかなりのイケメンだった。あの人絶対カッコイイはずだ。素顔を見たかったな。そんなこと思ってはいたものの、内心は硬膜外麻酔のことでドキドキしていた。なんといっても今回の不安は・・・

  1. 下剤
  2. 流動食
  3. 硬膜外麻酔
  4. 抜鈎(ホチキスを抜く)

この4点。1も2も避けて通れたものの、3・4は絶対に避けては通れない。覚悟を決めて手術台の上で横になって背中を麻酔科の先生にあずけた。何度も新調に指で背中をなぞられる。そして何度も消毒液で背中を拭かれる。「痛み止めの注射さすからね。」の声に心臓バクバク、心電図の音が少し早くなった。チクッチクッと何箇所か注射針が刺さった。『痛い・・・痛い・・・』声にならない声がもれる。それから硬膜外麻酔の管を背中に入れられた。何かが背中をつついているという感じだけが背中に響き、とにかく気持ちが悪い。早く終わってくれと目を閉じてガマンしたら無事に終わった。その後、本物の麻酔が入るまで女医先生が私の手を握っていてくれて本当に落ち着けた。けれど麻酔薬が点滴を通じて体に入って来たときはまためちゃくちゃ痛かった。腕が切れそうに痛かった。『なんでこんなにいてーんだ、バカヤロウ!!』って思って目を閉じた瞬間に「終わったよ!」っていう声に起された。あまり記憶には残っていないんだけれど、起されたとき『生きてる・・・』って思ったような気がする。手術室から病棟のICUに戻った時ヒゲの顔を見たような気がするけれど、麻酔の影響か目がよく見えなかった。交わした言葉も全く覚えていない。
再び目を覚ました時は猛烈な吐き気と寒気に襲われ、1度だけ吐いた。これも麻酔の影響らしい。それからずっと熱が高く布団をたくさんかけてもらわないといられないほど寒さを感じていた。それでも翌朝までぐっすり眠れた。とにかく背中の麻酔が切れるまでは痛みを全く感じなかった。なんだラクショーじゃん。これが間違いだった。